こんな記事を書く私ですが実は以前pHの知識があまりない頃に「アガベやユッカの自生地であるメキシコの土壌に近い強アルカリ性の培養土をつくれば良く育つんじゃないか」と考え失敗したことがあるのです
メキシコの土壌の多くは強いアルカリ性ですがアメリカ南部やメキシコではpH4以下のかなり酸性の強い酸性雨が降る地域でアルカリ性の土と酸性雨が混ざるためアガベやユッカが吸い上げる水分は弱酸性(pH6.0~6.5)に塩梅良く中和されていて雨の少ない乾季はアガベやユッカの休眠期であるため影響を受けづらいのだそうです
知識というのは大事ですね
それでは植物を育てる環境の大事な要素のひとつである「水素イオン指数(pH)」と「土」の関係についてチョッと知っておきましょう
植物の育成に適したpH環境
人間の体液のpH値は7.35~7.45の弱アルカリ性に保たれていてこのpH値の範囲内で細胞が正常に機能するので飲料水は体液のpH値に近いpH7~8の中性から弱アルカリ性が最適だそうです
植物の生育にもそれぞれ最適なpH値があって多くの植物はpH5.5 ~7.5の弱酸性から弱アルカリ性の範囲を好みます
用土のpHとは土壌の酸性度やアルカリ度を示す数値のことでpHは0から14までの値で表されpH7が中性で7より小さいと酸性となり7より大きいとアルカリ性となります
土壌のpHが極端に酸性またはアルカリ性に傾くと植物が養分を吸収しにくくなったり根に障害が発生したりして正常な生育が妨げられる原因になります
当店で販売している主な植物に適した参考pH値
- アガベ:一般的にpH6~6.5の弱酸性が理想値とされています
- サボテン:大半のサボテン類はpH6~7の弱酸性から中性の土壌環境が適しています
- ユッカ:種類によりますがpH6~7.5の弱酸性から弱アルカリ性の範囲が適しています
- ヤ シ:pH6.5~7,5弱酸性から中性の土壌が適しています
※数値は一般的な参考値で品種により異なる場合があります
主なpH調整方法
土壌のpH調整方法としては主に以下のものがあります
- 酸性土壌をアルカリ性にする場合:苦土石灰(くどせっかい)や炭酸カルシウムなどの石灰資材を土に混ぜ込みます
- アルカリ性土壌を酸性にする場合:ピートモスなどの改良用土や硫安(りゅうあん)などの酸性肥料を土に混ぜ込みます
市販の用土や培養土のほとんどにはpH値が記載されていますので培養土を購入する際やオリジナルの培養土をつくる際の参考にしてみてください


